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「光ちゃんはいません」

 

 

 

 

 

 

 

 




「みなさんまたお会いしましょう。お相手は堂本剛でした。さよならっ」


剛の挨拶を最後に、無事2週分のラジオを録り終える。
最初から最後まで和気あいあいの楽しい収録ではあったが、
やはり仕事には変わりなくホッと息を吐く。

そして、ちらりと斜め向かいに視線を向ければ
一足先に収録から解放された光一が、こちらに背を向けるように横たわっている。

寝ているのなら、そっといておいてやろうとも思うのだが、
自分のトーク中に、何度も肩を揺らしていたのをずっと目にしていたから。


「寝るならもう少し向こうで横になったらよかったんちゃう?うるさかったやろ?」


あえて、その背に問いかけてみた。


『・・・・・』
「お前と違って一つのネタでも十分語れる僕やからね。」
『・・・光ちゃんはいません』
「…んふふふっ」
『光ちゃんはいません。』
「いるやん(笑)」
『人が一生けん命、気配を消してやってるのにバラすなっ』
「いや、バラしてへんやん(笑) いません、いうてるやん」
『笑い堪えんの大変やってんから』
「ごめん、ごめん(笑)」

ほんとにどうでもええ、しょ~もない事が大好きな2人だから
笑いのレベルもほぼ同じ(笑)

曲紹介で、その前のネタの“ゴリ”さんがツボに入った剛が
「ゴリの背中には羽根がある、ゴリからはじまるミステリー」と
曲のタイトルにひっかけてみたら、
光一が思った以上に反応して、肩を揺らして笑いを堪えている姿がまた面白くて。

「んふふふっ君は泣いてゴリになるっ。やめないでゴリw」

止まらない止まらない(笑)

最終的には、曲をカットする程のゴリ押しネタに、
声上げて笑いそうになったわっと光一は文句を垂れた。

2人録りの収録が終わった時点で、
ゆっくりと休める別の部屋を用意して貰うなり、
少しでも自分たちから離れてしっかり寝る体制に入ってくれていたのなら、
もう少し声のトーンを殺して、サラッと流して終わらすつもりだったのに…

そうは言いつつも、互いに向かい合っていたその場所から動こうとしない彼に
言葉にできないあったかさを貰ったような気がして―



『変わったかたちのゴリっ』
「んはははっ心に夢をキミにはゴリをっ」
『ひゃはははっなんでもありやんw』
「んふふふっ」
『family~ゴリになることっ』
「え~!!(笑) ゴリ!元気かいっ!!」
『うひゃひゃひゃっ』
「あかんっめっちゃ笑いすぎて苦しい(爆)」



そんなしょうもない事を永遠に向かい合って言い合っているfutariを
周りにいたスタッフたちもまた笑顔で見守っていたとかいないとか(笑)



 

 

 


     fin





 

 

 

 

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