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「念願のクレープ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~あちっ。京都はやっぱ暑いな…」

明日の公演のリハーサルを終えた剛くんが用意された控室へと戻ってきた。
早速マネージャーである僕は、

「剛くん疲れたでしょ、これ、どうぞ。」

そう言って紙袋をひとつ差し出した。


「? なんやこれ?」


剛君は首をかしげながらも素直にそれを受け取ると、
そのまま袋を開けて中を覗き込んだ。
するとっ。


「おぉっ!? どうしたんこれ?」
「さっき、三条駅周辺まで出かけて買ってきました。」
「んふふ、マジで?(笑)」
「探しましたよ、お店(笑)」
「クレープ食べたいとは言ったけど買ってこいとは頼んでへんやん(笑)
 まぁ、嬉しいけどさ」
「そうんなですけど…しいて言うならこれ、差し入れなんです。」

「・・・へ?」

誰からの?とそう問われ、
言おうかどうしようか少しだけ躊躇しつつも意を決して
僕宛てに届いたメールを、剛くんへと差し出したのだ。

そこには―

 お疲れさん。
 忙しいところ悪いけど、ちょっと時間空いたら
 クレープ買ってきて剛に渡してやってほしいねん。
 支払いは後からちゃんと俺が払うから。
 クレープクレープ言うてて、なんか可哀想なコに思えてきたわ(笑)
 俺のせいで美味しいところ食べ損ねた過去もあるし(笑)
 マネからの差し入れって事にでもしてもらって、
 仕事増やしてもうて申し訳ないけど、頼むな。


メール画面を見入りながら目を細めて笑っている剛くん。

「光一君の頼みとあらば行かないわけにはいかないでしょう(笑)」
「俺の頼みやったら断るんかい(笑)」
「事と場合によっては」
「んふふ、なんやそれ(笑)」

そんなコントのようなトークを繰り広げながらも、
剛君は袋からクレープを取りだす。

あれはもう何年前になるのだろうか?
当時光一君メインの番組に「KinKi Kids 結成十周年」を祝って、
「初めての二人旅 」なるロケ番組を収録していた時、
剛くんがクレープを頬張りながらケーブルに乗っていたら、
光一君が不意によろめいて剛くんへとぶつかったせいで
食べかけのクレープを落してしまった出来事があった(笑)


 >俺のせいで美味しいところ食べ損ねた過去もあるし(笑)

という光一君の言葉に。

「俺でもすっかり忘れていた記憶を、
 あいつが覚えていた事にちょっと感動ものや」と笑いながらも
その手は、今度こそ落してしまわないように大事そうにクレープを握りしめる。


「ではでは、早速ありがたく頂きます。」


そして礼儀正しくそういうと、
それはそれは嬉しそうにクレープにかじりつく剛くん。
その姿を少し離れた所からそっとカメラに収めた僕は、
「任務完了。大満足の図(笑)」とタイトル入りで
添付した画像と共に彼の元へと送信した。


珍しくも光一君からこういうメールが届いたのも、
もちろん彼がLFを読んだからだろうで。
そのLFをここ最近、剛くんがこまめに更新しているのは…

少し前にソロで出演した光一くんが
番組内でSMGOを更新していない事をせめられていた事を知り

「あいつはほんまこういうの苦手やからな。
 伝えたい言葉が浮かんだ時に、更新するのでも十分やと思うわ。」

と、光一くんを庇うようにそう呟いていたのを僕は隣で聞いていてー

その後暫くしてから、
怒涛のようにLFを更新しだしたから、
それが理由の一つでもあるのかな?と、そう思った。
「ま、俺は気まぐれやからな(笑)」と言ってた剛くんなので
またいつ、LFが途切れるとは限らないが(爆)


なんだかんだで、お互いを気にかけつつ、
できる事をさり気にフォローしあっているのはいつまでたっても変わらない、
ほんとに素敵な関係です。

剛君も念願のクレープが食べれたんだから、
きっと明日は最高のステージを魅せてくれることでしょう!!


と、言ってたら光一君から返信が!!


 「あいつの口元についてる生クリームがなんかやらしい(笑)」



・・・ほ、ほんとに素敵な関係です(汗)


    

          終わりw

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